エリアを歩く  /  2026.10.07

旭川のスープカレー、30軒の歩き方 ― ラーメンの街の、もう一つの看板

旭川にはスープカレーとカレーの店が30軒ある。札幌の次に多い街で、半分以上が旭川生まれの店だ。駅から歩ける中心部、北の末広・永山、西の緑町、南東の東光・神楽岡、東の東旭川と、区画ごとに歩く順で並べた。

旭川と聞くと、ほとんどの人はラーメンを思い浮かべる。それは正しい。でも旭川には、スープカレーとカレーの店が30軒ある。札幌の次に多い街だ。しかも札幌の支店だけではなく、旭川で生まれて旭川で育った店が半分以上を占めている。

この記事は、カレーライフの店舗データベースに載っている旭川の店を、街の区画ごとに歩く順で並べたものだ。札幌から日帰りで1軒だけ行く人にも、旭川に住んでいて次の店を探している人にも使えるように書いた。閉店した店も2軒、記録として最後に残している。

旭川のカレー地図

旭川のスープカレー・カレー店の分布を示す模式図。旭川駅を中心に、3条通・1条通の中心部、北の末広・春光・永山、西の緑町・旭町、南東の東光・神楽岡、東の豊岡・東旭川にそれぞれ店名を配置している。
位置関係は目安の模式図で、距離は正確ではない。店名を押せる正確な地図は、各店のページにある。

1. 駅から歩ける中心部(3条通・1条通)

旭川駅から北へ歩くと、買い物通りと歓楽街の「さんろく」(3条6丁目)がある。スープカレーもこのあたりに固まっている。

KINGBEAR 旭川さんろく店(3条通7丁目・ビル2階)。名寄で生まれ、道内に6店ほど広がったスープカレー店だ。大豆と鶏ガラを合わせたスープに15段階の辛さ、約30種のトッピング。2024年3月にさんろくに開き、金・土は深夜0時半まで開けている。飲んだあとの一杯に使える店は、旭川ではここくらいだ。

ふわわ(3条通8丁目・ビル2階)。「喫茶&スープカリー」を名乗る隠れ家で、トマトと玉ねぎをベースに27種のスパイスを合わせた薬膳系のスープを出す。駅から歩ける距離で、落ち着いて食べたいときの店だ。

間借りCURRYと台湾菜 ウライブ(3条通9丁目・ビル地下)。間借り営業のカレーと台湾料理の店。食べログではスープカレーが筆頭のジャンルで、間借りならではの自由なメニューが持ち味だ。

カレーハウス アンクルペパリー(1条通22丁目)。1984年開業で、旭川でいちばん歴史が長いとされるスパイスカレーの店。ルーカレーが軸で、スープカレーも出す。牡蠣と海老の「ミックスフライカレー」が名物。スカッシュコートと美容室を併設していて、食事をするとスカッシュが30分無料になる。こういう店は旭川にしかないと思う。

2. 北へ:末広・春光・永山

旭川の北側は住宅街で、車で動く人の店が多い。旭川のスープカレーの「実力店」と呼ばれる店は、このあたりに点在している。

CurryQ(末広4条3丁目)。山小屋風の店で、旭岳の湧き水を使う。辛さは「1合目〜10合目」と山になぞらえた数え方だ。ジャークチキンや海老天カレーもあり、住宅街の隠れ家なのにすぐ満席になる。スープがなくなり次第終了なので、早めに。

SAMA 旭川店(末広東2条2丁目)。「南の島の水上レストラン」をテーマに、トマト・ココナッツ・あっさり・海老・海老豆乳など複数のスープから自分で組み立てるSAMAの旭川店。

ビスターレビスターレ 旭川末広店(末広1条4丁目)。2004年に網走で生まれたネパール・インド料理のチェーン。店名はネパール語で「ゆっくり」。

SHINO CURRY(春光4条9丁目)。「旭川で一番インパクトのあるスープカレー」を掲げる専門店。18種のスパイスのスープに、にんじんとキャベツ以外は素揚げした野菜がたっぷり入る。量で勝負する王道の店だ。

ラマイ 旭川春光店(春光1条8丁目)。バリ島で生まれて札幌へ渡ったラマイの、旭川2店舗目。黄色いライス「ナシクニン」と、バリの調度品に囲まれた店内はここでも同じだ。

麻乃屋(永山3条24丁目・旭川大学の近く)。2024年6月開店の「スープカレー&カフェ」。鯖節を軸にした和出汁のスープに、看板はラムのスープカレー。10時半から21時まで通しで開いていて、使い勝手がいい。

ナーラック アジアンスープスタンド(永山2条2丁目)。店名はタイ語で「素敵」。グリーンカレー、マッサマン、フォー、スープカレーと東南アジアのスープ料理を横断する店で、名物はスパイスのスープに麺を合わせた「北海道カオソーイ」。スープカレーの枠を越えて楽しめる。

SAGUN 旭川永山店(永山10条5丁目・環状線沿い)。2026年8月15日に開いた、この一覧でいちばん新しい店。「本場のインド・ネパール料理&スープカレー」を掲げる複合型だ。

ポカラダイニング 永山店(イオン旭川永山店1階)。ネパール系グループの店で、炭火窯のナンとスープカレー、ペーストカレーを出す。買い物のついでに寄れる。

3. 西へ:緑町・旭町・北門町

KINGBEAR 旭川緑町店(緑町17丁目)。さんろく店と同じKINGBEARの、旭川西部の店。緑町はカレー店が集まるエリアとして知られる。

奥芝商店 旭川亭(旭町1条13丁目)。毎朝、甘海老の頭を大量に炊く「元祖えびだしスープカリー」の奥芝商店。旭川亭は道北の拠点で、駐車場がある。札幌まで行かなくても、あの海老出汁が食べられる。

ホワイトベースカフェ(北門町9丁目・教育大の近く)。看板のない穴場。チキンの旨みが立つトマトベースのスープに、はっきりした味付け。当日15時までの完全予約制なので、ふらっとは行けない。それでも地元で「知る人ぞ知る」の代表格と言われる店だ。

4. 南東へ:東光・神楽岡

東光は旭川南東の住宅街で、カレー店が多い。神楽岡は旭川駅の南、川を渡った先の落ち着いた住宅地だ。

ラマイ 旭川東光店(東光8条1丁目)。ラマイの旭川1店舗目。幹線沿いで、中休みなしの通し営業。

アプランティ(東光8条4丁目)。2012年開店の「カレー&スイーツ」の店。ホテルの厨房とスープカレー店で修業した店主の、化学調味料を使わないとろり濃厚系のスープに、シャキシャキの生玉ねぎを効かせる。ルーカレーも出す二刀流で、元パティシエの奥様のスイーツも名物。店名はフランス語で「見習い」だ。

SPICE POTなYummy’s(東光5条1丁目)、Dining & Nepal(東光5条6丁目)も東光の店で、後者は窯焼きナンのネパール料理店だ。

香屋(神楽岡5条6丁目)。さらっと上品なスープに、コブミカンの葉(バイマックルー)を効かせた、トムヤムクンを思わせる香りが最大の個性。ガッツリ系の「漢カレー」から野菜の「ベジータ」まで幅があり、大きな窓の店内も気持ちがいい。旭川の実力店として名前が挙がる店だ。

スパイスキッチン 倍音(神楽岡4条4丁目)。店主はタイ・ネパール・インドを巡ってカレーを研究し、いまもタイへスパイスを買い付けに行く。ネパールのスパイスのキーマとタイ式グリーンカレーの「あいがけ」が名物。週3日しか開いていないので、曜日を確かめてから。

5. 東へ:豊岡・新旭川・東旭川

オアシス(豊岡7条7丁目・環状線の裏手)。15年ほど続くスープカリーの店。野菜多めでバランスのよい一杯に、ライスコロッケ入りという一捻り。旭川の穴場として地元に親しまれている。

アジア金星堂(東5条11丁目・新旭川)。日本式、スープカレー、インド、東南アジアと、店主ひとりが幅広く作る「カレーの百貨店」。ガラスの器で出てくるスラバヤチキンカレーなど、個性派が揃う。提供に時間がかかるので、余裕を持って。

農珈屋(東旭川町・うけがわファームDEN-EN内)。米農家が直営するスパイスカレーの店。窓の外に田んぼと大雪山が見える。月替わりの3種あいがけプレートが人気で、旭川空港に近い。

スサンタキッチン(東旭川町上兵村)。古民家で2008年から続くスリランカカレーの店。スリランカ出身のスサンタさんが作る数種のカレーを混ぜながら食べる本場の食べ方で、開店と同時に席が埋まる。道北で本場スリランカの味はここだけだ。

6. ネパール・インド料理の店

旭川にはナンとカレーの店も多く、スープカレーをメニューに持つ店をデータベースに載せている。スーリヤ 旭川店(川端町)、エベレストダイニング 旭川店(新富)、ナマステネパール 旭川店(宮下通)、NEPAL KITCHEN HimAL 旭川店(南5条通)の4軒だ。スーリヤはイエローとグリーンの2色スープカレーを出す道内チェーンで、エベレストとポカラダイニングは同じグループの店。

7. 閉店した店の記録

旭川でも店は閉じる。データベースには2軒を記録として残している。

相場王のスープカレー 極哩 旭川中央店(2条通)は2026年8月31日に閉店した。札幌本店は営業している。カレー工房インド ガンガ店(旭神)は、1973年の喫茶店にさかのぼる旭川カレーの老舗で、スープカレーが生まれる前からの「カリ」が看板だった。閉店した店の記録は、閉店したスープカレー店の記録にまとめている。

旭川のスープカレーの特徴

30軒を並べてみて、気づいたことが3つある。

1つ目は、旭川生まれの店が多いこと。札幌の支店(奥芝商店、ラマイ、SAMA、KINGBEAR)は8軒で、残りは旭川で生まれた店だ。CurryQ、香屋、SHINO CURRY、ホワイトベースカフェ、オアシスは、どれも旭川の人が「実力店」「穴場」と呼ぶ店で、札幌にはない。

2つ目は、カレーの幅が広いこと。スープカレーだけでなく、スリランカ、タイ、ネパール、米農家のスパイスカレー、1984年からのスパイスカレーまで、一つの街にある。アジア金星堂のような「全部やる」店が成り立つのも旭川らしい。

3つ目は、車がいること。駅から歩ける店は中心部の4軒くらいで、あとは末広・永山・東光・神楽岡と、住宅街に散っている。ホワイトベースカフェは予約が要り、倍音は週3日、CurryQはなくなり次第終了。行く前に各店のページで営業時間と定休日を確かめてほしい。

旭川の店のページは、旭川のカレー店一覧にまとまっている。新しい店が開いたら、この記事にも足していく。


本記事の各店の記述は、各店公式サイト・公式SNS・食べログ・地域メディア(あさひかわ新聞、asatan、号外NET旭川 など)の公開情報と、カレーライフ店舗データベースの編集部ノートによる。味の描写は公式や紹介記事の説明を引いたもので、カレーライフの実訪による評価ではない。営業時間・定休日は変わることがあるので、訪問前に各店の最新情報を確かめてほしい。

この記事は公開されている資料をもとに構成しています。裏付けが取れていない部分は「〜と言われる」と書き分けています。 事実の誤りにお気づきの場合はご連絡ください。

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